・・・抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)・・・

 何をしても楽しくない、何にも興味がわかない、疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める、イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない 、悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる 、思考力が落ちる、死にたくなる 。体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛や肩こり、動悸、胃の不快感、便秘、めまい、口が渇く。

 

周りの人が見て「いつもと違う」こんな変化に気づいたら、本人はうつ状態で苦しんでいるのかもしれません。表情が暗い、涙もろくなった、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える、食欲がないなど。

不安緊張・・・
「気持ちが落ち着かない」「どきどきして心細い」といった症状は、「不安」や「緊張」といわれるもので、誰でも感じる感情の一種です。不安は、精神医学的には「対象のない恐れの感情」と定義されています。似たような言葉に「恐怖」がありますが、こちらは「対象がある場合」に用います。不安は身体症状を伴っていて、「どきどきする」(動悸)というのもそのひとつですが、ほかにも「胸がしめつけられる」「息が苦しい」「冷汗が出る」「体が震える」「ふらふらする(めまい感)」「手足のしびれ」「脱力感」「頻尿」「のどが渇く」「眠れない」「頭痛」など、様々な症状が現れます。これらは主として自律神経、とくに交感神経の働きによるものです。感情と、交感神経、副交感神経などの自律神経の働きは、脳の中で密接に関連しているからです。

 

・・・パニック症・・・

 

「パニック障害」は典型的にみられる不安症状で、突然理由もなく強い不安に襲われ、胸がどきどきする(動悸)、脈が速くなる(頻脈)、胸苦しさ、息苦しさ、めまいなど、上に述べた身体症状も同時に襲ってきて、今にも死んでしまうのではないかと思うほどです。ただし、時間がたつと自然に消えてしまいます。発作が繰り返される場合は、「また来るのではないか」という不安が生じ(予期不安という)、そのため発作が起きた時そこから逃げられない、助けてもらえないような場所や状況を恐れ避ける「広場恐怖」という症状が伴ってきます。これは「恐怖症」という不安障害の一種にあたります。恐怖症には、ほかに「社交恐怖(人前で異常に緊張し、恥をかくことを恐れる)」「特定の恐怖症(高所、閉所、動物、暗闇など、特定の対象や状況を異常に恐れる)」があります。

 

パニック障害の症状は
異様な発汗
体の震え
めまい
心拍数の増加や動悸
胸の不快感
腹部の不快感
現実がよく分からなくなる
異様なうずき感
冷感や熱感
死ぬのではないかという恐怖感
窒息してしまうような感じ
自分を上手くコントロール出来なくなるのではという恐怖感
息苦しい

 

 突然に理由もなく激しい動悸、呼吸困難、熱感・冷感、胸部不快感などに襲われたり、電車に乗っていたら突然気持ちが悪くなってしまう… などいう発作が現れ、死の恐怖などを感じることもあるという症状。しかし大抵は20分くらいで治まり、病院に行って精密検査をしても異常なしと診断されます。
 一度パニック発作を起こしてしまった方が、 「またあの発作が起きたらどうしよう。」「今度、あんな発作が起きたら死んでしまうのでは…。」 などと心配になり、不安や焦燥感に駆られるという症状。人によってはうつ病にまで進行する可能性があるので要注意です。

  パニック障害を漢方の理論で考察すると
突然不安に駆り立てられ、冷や汗が出て苦しくなる。
ヘソ下から何やら得体の知れない気が湧き上がって来て、心臓を突き抜け、咽喉に突き上げてくるような「激しい気の突き上げ」 眼の前が真っ暗になって周囲が見えなくなってしまう。
心臓がドキドキして呼吸が苦しくなって死ぬかと思うほど辛く、意識を失ってしまう。
これは、不安神経が発動して起こる病気で、漢方では「腎気の発動」と呼んでいて、五行思想では腎(水)は心(火)を制御していて、丁度、原子力発電所の「炉心を水で冷却」するようなもので、腎臓と心臓との間に密接な関係があるのです。 腎がしっかりしていないと、腎気を引きとめておくことができずに、ちょっとしたきっかけで腎気が暴発して少陰腎経に沿って上昇して、心を貫き咽喉を貫きます。
 漢方の治療では、全身の血流を良くさせて五臓の働きを調和させる、人参・牛黄配合の熟成ニンニクエキス「レオピンファイブ」と不安神経を鎮めて腎気の暴発を鎮める「漢方薬」を使用します。

 治験例として、女子大生が2年生の夏休みに、オーストラリアへ留学に出かけた先で、突然不安にかられ、胸が苦しくなり、目の前が暗くなり意識が無くなりました。直ぐに救急車で病院へ搬送されたのですが、病院へ到着すると、意識が回復して全く正常に戻りました。心電図やレントゲンなどあちこち検査をしたのですが、全く異常は見つかりませんでした。帰国後それから6カ月めに発作が再発し、何回か繰り返したので、当店へ相談に来られました。色白で声も細く元気が無さそうな印象でしたので、熟成ニンニクエキスの「キョーレオピン」と「エゾウコギ」「竜眼肉」「茯苓」などが配合された滋養強壮剤「エナックW」と不安神経を鎮める「漢方薬」を使いました。この方はこれ以降、パニック障害を起こさず、大学を卒業され就職されてから結婚され健康に暮らされております。

 

・・・うつ病・・・

     
       

 眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、といったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
 うつ病の一般的な治療法は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる、脳内の生理活性物質セロトニンの消失時間を抑える薬物療法が一般的です。開発当初は夢のような理想的な新薬ともてはやされました。理論的にも非の打ちどころは無いのですが、実際に使用して見ると、現実では様々な副作用が出ております。
 脳内で生理活性して働きを終えたセロトニンは役目を終えて消失するのですが、この消失時間を遅くさせるので、イキの悪い古くなったセロトニンが悪さをします。
 また軽症〜中程度、うつ病の患者さんが初めてSSRIを服用すると、「セロトニン症」などのセロトニン過剰症による副作用が出たりして「効果対副作用」が極端に悪くなったりします。
 本来ならば、自分の体内でセロトニンが合成され、脳内で作用して、仕事が終わると速やかに消失して行くのが自然なのです。この辺のところに無理があるようです。
 うつ病の患者さんは、全般的に「低体温」「基礎代謝低下」「脳内温度低下」など身体の「新陳代謝」が低下している方が多く、「家から出られない」「行動がおっくう」「色白」「食欲が無い」「便秘」とまるで「クマやヤマネ」の様に「冬眠状態」になっております。
 漢方の治療では「体温を上げて基礎代謝を高める体質改善」と患者さんのツライ症状を目標として「証を選んだ漢方薬」を併せた療法を行います。体質改善ですから最低でも6カ月から3年位の時間が必要ですが、「体温が上がって基礎代謝」が良くなると、身体が楽になって動けるようになります。「そんなに時間がかかるの」と聞かれますが、「急がば回れ」で着実に体質改善が進めば結果的に早く回復します。

 若者は15歳あたりに思春期を迎えます、この頃は「身体の生長が早過ぎて、身体と精神の調和がアンバランスになります」。このような場合のサポート薬として、ビタミンB1.2.6.12 ニコチン酸アミド、などのビタミン薬と「エゾウコギ」「竜眼肉」「茯苓」などが配合された滋養強壮剤「エナックW」などと、ツライ症状を手当てする漢方薬を併せて体質改善をして行きます。

 中年以降の方は、45歳あたりから更年期を迎えます。性ホルモンが枯れてゆくのは、女性ばかりでなく、男性も同じです。この頃になると「ホルモンが枯れて行き、身体の老化が急速に進み身体と精神との調和がアンバランスになります」。このような場合のサポート薬は、若者と同様に「体温を上げて基礎代謝を高める体質改善」と「老化を防ぐアンチエイジングの養生薬」と「毒素を排泄させるデトックス薬」を併せて体質改善を行います。
 中年以降になると様々な化学薬品、「降圧剤」「安定剤」「鎮痛剤」「ホルモン剤」「酔眠剤」「抗精神薬」「コレステロール薬」などを長期連用したり、「タバコ」「食品添加物」「環境ホルモン」などが体内に残留したりしておりますので、「デトックス薬」と「アンチエイジング薬」を組み合わせて体質改善を行います。このような場合のサポート薬として、「アンチエイジング薬」として補腎作用のある鹿茸製剤の「霊鹿参」や熟成ニンニクエキス・鹿茸エキス配合「レオピンロイヤル」と「デトックス漢方薬」を併せて使用します。

 治験例として、高校2年生の女子生徒が1年生の冬休みにイギリスへ短期留学に出かけてから体調を崩し、うつ病になってしまい学校へ行く事ができなくなりました。母親に連れられて相談にやってこられましたが、色白で声や目にも力がなく、血圧が80-40と低く、体温は35.8℃と低体温で、生理が6カ月止まってしまった、との内容でした。高校の先生の勧めで県立病院の「思春期外来」を受診しましたが、ここは以前は精神病院でしたので、「思春期外来」と云っても「心療内科」ではなく「精神科」です。ですから「向精神薬」投与の薬物療法になります。始め「ジェイゾロフト」が投与されましたが、副作用がキツイので「パキシル」に変更になりました。ところが、パキシルを服用して直ぐ、吐き気、背中の張り、前額部の頭痛、と頻脈が出てきたのです。血圧が110-53と上昇して、心拍数が111と速くなり、胸が苦しくなりました。主治医に報告をした所「心拍数が速くなっても我慢して飲んで下さい」との返答でした。そこで私が、頻脈を改善する「煎じ薬」を使用した処、クスリがドンピシャ効いて、本人もうれしく絶好調で学校へ行ったとの電話があり、頻脈と胸苦しいのと背中の張りと頭痛がウソのように取れて楽になりました。低体温と基礎代謝を高める熟成ニンニクエキスの「キョーレオピン」と「エゾウコギ」「竜眼肉」「茯苓」などが配合された滋養強壮剤「エナックW錠」を併用して体質改善を行い、6カ月後には生理が戻ってきて、体温も36.3℃位まで回復してきました。その後、無事に進級して受験も成功して大学生になりました。