頭痛薬の効かない頭痛として、緊張性頭痛や偏頭痛があります。緊張性頭痛は鉢巻きで頭を周りからぎゅっと締めつけられるような痛みや、頭がずっしりと重く感じるのが特徴です。
 無理な姿勢を続けたり、目や肩の疲れなどの身体的ストレスだけでなく心配ごとや不安などの精神的ストレスから、頭部の筋肉が過度に緊張するために起こることがあります。
偏頭痛は、脈拍にあわせズキンズキンと痛むのが特徴です。階段の昇り降りや、激しい運動のあと、緊張がとけてほっとしたときなどに痛くなったり、閃輝暗点(せんきあんてん)と云った、偏頭痛特有の前兆現象が現れたりします。

 

 閃輝暗点は、 まず突然、視野の真中あたりに、黒いキラキラした点が現れ、視界の一部がゆらゆら動きだし、物がゆがんで見えたり、目の前が真っ暗になったり、見えづらくなる。その後、みるみるうちに点は拡大していく。キラキラと光るギザギザしたガラス片や、ノコギリのふちのようなもの、あるいはジグザグ光線のような幾何学模様が稲妻のようにチカチカしながら光の波が視界の隅に広がっていく。これは無数の光輝く歯車のような点が集まり回転しているようでもあり、視界の大部分が見えなくなることもある。
 これらの視覚的症状は短時間に進行する。そしてこの閃光と暗点は5分から40分ぐらいで広がって、視野の外に出て消えて行く。この症状は目を閉じていても起きる。症状が治まった後、引き続いて偏頭痛が始まる場合が多い。この後に頭が割れるような激しい偏頭痛が続き、強烈な吐き気・嘔吐などを伴うことが多いです。
 原因 は眼球の異常ではなく、ストレスがたまり、ホッとしたときにこの症状に見舞われることが多いです。偏頭痛の原因は、頭の血管が何らかの誘因で収縮し、その後異常に拡張すると共に血管壁に炎症・浮腫をおこすためと言われている。閃輝暗点が起こる原因は、脳の視覚野の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するためと考えられている。太陽の光や音で痛みがひどくなったりします。脳血管の収縮と拡張で引き起こされると考えられています。
 これらの頭痛は、ストレスやうつ病とも関係が深いといわれています。最近では、うつ病や不安障害と関係が深いセロトニンという神経伝達物質が、片頭痛にも関係していることがわかっています。逆に、頭痛に悩むことで抑うつ状態になることもあります。また、人は精神的に不安になると、痛みに対して過敏になるので、ますます頭痛がひどく感じられるということもあるでしょう。
 このような場合のサポート薬として、偏頭痛はストレスから来る「脳血管の収縮と拡張」、つまり漢方では「脳血管の痙攣」と捉えて、牛黄製剤の「霊黄参」と漢方薬の「葛根黄連黄?湯」を併用します。一般的な頭痛に使用する温剤の「葛根湯」「呉茱萸湯」などを使うと逆治となってしまいます。