第25話 効率を追い求めて

   
 

 世界的作家の村上春樹さんが2011年6月9日、スペインでスピーチした内容は、大震災で原発事故を起した東電を批判し、効率を求めてきた社会に疑問を投げかけた。広島に落とされた原子爆弾を引き合いに、「核」への絶対的信頼が揺らいだのは「効率」ではないかと持論を展開。「我々日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった。「『効率』や『便宜』という名前を持つ災厄の犬たちを、のさばらせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく『非現実的な夢想家』でなくてはならない」。

 さて先の25年間は、パソコンなどを代表とする「効率」の価値観にあてはまるものが、発展の一途を辿ってまいりました。薬業界では、スケールメリットを生かした大量仕入れによるドラッグストアの拡大や台頭がありました。今後は、個人の価値観が「効率」になるわけですが、個人がより安い物を求めインターネットで買い物をすることが促進されてしまうのかと頭を悩ませておりましたが、今後の流れが読めてきました。 

 原発は確かに「効率」の時代には低コストで発電できる手段として拡大して来ましたが事故以来、実は莫大にコストがかかる発電手段ということが明らかになりました。それと同じように、テレビCMを見て「あっ自分に、この薬が合っている」と思い込み、ドラッグストアに行ってPOPで判断して割引された商品を購入。一見「効率」が良い買い物をしたとしても、実際効果が無ければ(その人の心身の悩みの解決ができていなければ)、いくら安くても無駄な買い物になってしまう。ということに気付き始めた生活者が出てきました。以前は、漢方薬が「高いな」と思っていた方も、治療効果が上がって良い結果出て満足して納得して頂ければ「効率」が良いはずです。

 漢方はECOだ。(無駄なく効率的)だと思います。

 

第26話 お薬を飲んでも、ちっとも効かない

 

お薬を飲んでも、ちっとも効かないと不満を云う人がおります。体質改善薬や漢方薬は一つの症状だけ治すのではなく、身体全体の不具合をおだやかに修正して治していきます。このため、ゆっくり効き目が出始めてきている事を見逃してしまって、感じ取れない人もおります。不平不満や愚痴を口にする人は、気持ちが逃げて、目の前に見えるすべての事がイヤでキライになってしまっているかもしれません。このような時には、自分を好きになる簡単な方法を試して下さい。

 まず、ノートとペンを用意します。そしてノートに自分の良いところだけを書いて下さい。一つでも二つでもいいのです。この時に注意する事は、100点満点のところだけをほめるのではなく、50点でも、20点でもいいのです。少しでも自分のいいところを探して下さい。良いところを上手に探せない人は、次の10項目を参考に自分をほめて下さい。
1. 内面的な事をほめる、性格・気性・心の快感など。
2. 行動や働きをほめる。出来る事・やっていること。
3. 感覚、感性をほめる。日常的に感じる事、好きなこと。
4. 発想、考え方をほめる。価値観、生き方、前向きに思っていることなど。
5. 今している努力をほめる。結果が出ていなくても、現在進行形の努力。
6. 過去に努力したことをほめる。結果が出ていなくても、努力をしていたこと。
7. やらなかったことをほめる。ネガティブなこと、悪い事などしなかったこと。
8. 身体の働きをほめる。普通だと思っている健康や生きていることに感謝する。
9. 容姿をほめる。チャームポイントとして、どんなことも言い方を変えてみる。
10. 変化、発見をほめる。1〜9で自分をほめてきて変化したこと。新たな発見。
思いつかないことは、「思いつかない」としておき書ける時に書いて下さい。この、「自分をほめる」ということは、頭で思っただけでは効果がありません。必ず読み返せるノートに書いて下さい。そして、自信がなくなった時、不安な時、人に悪く言われた時、失敗した時、新しい事にチャレンジする時、いつでも自分をほめてノートに書いて下さい。どうしてもほめられない気持ちの時には、ノートを読み返して下さい。

 すべての人は、セルフエステーム(自己尊重感)という存在や命を価値ある尊いものだと自分で肯定し、他人にも肯定してもらいたいという意識を持っているのです。自分をほめると云う事でセルフエスタームを育て、自分を尊重する事につながるのです。 否定的考え方から肯定的な考え方にスイッチが切り替わることで、心が変わると行動が変わり、行動が変わると人生が変わります。