平成二十六年 甲午(きのえ うま)土運大過(どうんたいか)の運勢です。土運(どうん)が大過(たいか)盛大になるので自然界では、土気がほしいままに横行します。土運大過の年は湿度が多くジメジメして、曇りの日が多く、脾臓の働きが活発になるので食欲が旺盛になり胃腸に負担がかかります。土は五行の中心に位置して、木(春)・火(夏)・金(秋)・水(冬)の四行を統率して、各季節のお終いに17日付いております。土は破壊(殺)と再生(生)の両義性を持っております。その為、春の季節を殺して夏の季節に生まれ変わらせる、季節を運び変化させる運化作用の時期が土用の17日間になります。この土用の期間中は土いじり、種蒔き、屋移り、地鎮祭など土を犯してはいけません。土犯といって、土の中にいる神様(土公神)の頭を削るので土公神が怒って暴れだし災いが起こります。病気で長患いしている人や、睡眠時間を削って忙しく体を酷使する人などが、命を持って行かれてしまう危険性があります。これが土の作用(土用の怖さ)です。

<夏の土用は補腎の剤(霊鹿参・八味丸)で腎を補う妙法>

この土用の期間中は五臓の中の脾臓(脾気)が旺(さかんになる)します。この脾気が旺することにより、その相剋にあたる腎気を制圧してしまいます。この為に血圧がコントロールできなくなって命を落としてしまう事もあります。人参・牛黄製剤の霊黄参が効果的です。
特に、夏の暑熱を帯びた土の作用は強烈です。蒸し暑さと猛暑による暑気あたりなどでやられますから、夏の土用に入る前から、腎気丸や鹿茸・紅参製剤の霊鹿参などの補腎薬や霊黄参を使って予防をしておきます。特に透析患者や腎臓病、高血圧、糖尿、ステロイド長期服用者、高齢者などは、なおさら補腎薬の服用が肝腎要になります。これが「未病を治する」妙法となります。

<土用丑の日のウナギは何故>

十二か月を十二支で表せば、寅・卯が木、辰が土、巳・午が火、未が土、申・酉が金、戌が土、亥・子が水、丑が土となります。四季の終わりに土用が付いております。
土の運化作用(季節を運んで変化させる)は強烈で人体にも強く影響します。
夏の土用は、旧暦の六月で未月になります。十二支で、丑が冬の土、辰が春の土、未が夏の土、戌が秋の土、となります。つまり未月の土用の丑の日は土が重なり合います。
夏の土用は夏の暑熱(火)を帯びた土(燥土)です。この未月の丑の日、丑は冬(水)の土で、冷たい水を帯びた(湿土)です。この湿土の象徴が、水の中に棲み体毛が無くツルツルしている、?族(土)のウナギです。
夏の未月の蒸し暑い土用に、その火を帯びた土(燥土)を打ち消す作用の呪物として冬(水)の土(湿土)の象徴のウナギを食するのです。
つまり長夏に冬瓜(冬のウリ)を食し、冬至に南瓜(夏のウリ)を食する事と同義となります。
最近では、冬の土用の丑の日にも、ウナギを食べようとの行事も出てきておりますが、一年に何度も行うのは日本人の潔さからしても、陰陽五行の理屈からしても合致しておりません。ウナギもだんだん貴重になってきて、庶民の手が届かない処まで行ってしまうかもしれません。
季節に合わせて、風流を感じながら陰陽五行の理に適って、無病息災を願って、美味しく頂くことが人生の幸せを感じる一瞬でしょうか。

<エルニーニョ現象と気象病>
今年はエルニーニョ現象が発生し、赤道海面温度が上昇して黒潮などの海流が大きく蛇行したり、上空の偏西風が流れを変えたり、太平洋高気圧とシベリア高気圧の勢力が乱れたりして、大きく気候が乱れております。経済も為替や株式が乱高下するように、天気も目まぐるしく急変して、気圧や気温・湿度が大きく乱高下するので、身体もこの天気の急変に順応出来なくなります。この様な気象の急変から起こる病気を「気象病」と呼びます。
私達の身体には、外部環境の温度・湿度・気圧などに影響を常に受けていても、血圧や心拍数など内部の環境を一定に保とうと頑張っております。この様な内部維持機能は「ホメオスタシス」と呼ばれ、自律神経系・ホルモン系・免疫系が調節を行っております。しかし身体の機能が低下したり、低体温や血行不良や疲れやすくて元気が無いなどの人は、特に気象病に罹り易くなります。気象病には三つの原因が考えられます。
第一の原因は、前線の接近による気圧の急激な低下です。気圧が低下すると体内で炎症物質の「ヒスタミン」が放出されます。この炎症物質が痛みの原因になります。また気圧の低下は体内の水分の循環を妨げ体内に水分が溜まって組織に「むくみ」が生じます。この「むくみ」が様々な病気を引き起こします。むくんで膨張した組織が神経を圧迫すると神経痛になります。また慢性気管支喘息を持つ人は気道がむくんで空気が通りにくくなり呼吸が苦しくなったり粘液性の痰が増えてきたりします。また気圧の低下で手足の血行が悪くなる一方、脳の血流が増えてズキンズッキンと云う偏頭痛を招く事もあります。
二つ目の原因は、気象の変化が自律神経に及ぼす影響です。気圧や気温が急激に変化すると交感神経や副交感神経が活発化することで自律神経のバランスが崩れてしまい、「めまい」がしたり「血圧が乱高下」したり「心拍数が上昇したり」「頭痛」や「悪心」などモヤモヤした鬱陶しい症状が起こります。
三番目の原因は、身体や心が急激な気象の変化をストレスと受け取ってしまう事です。身体が気象の変化をストレスとして受け取ってしまった場合、脳下垂体が刺激を受けホルモン分泌に異常をきたし体調が狂ってしまいます。一方、感受性の強い人は気圧、気温・温度・湿度の変化に加え、周囲の景色、音、臭いなどの変化をストレスと受け取った場合は精神的に不安定になって、ウツなどの様々な精神症状を発症してしまいます。
この様な気象の変化による病気を防ぐには、何よりも「予防と養生」が大切になってきます。常々私が申しあげております「キョーレオピン・レオピンファイブ・ルミンAによる、抵抗力・免疫力を強化しホメオスタシスの防御を固める事」です。また急激な環境の変化によりバランスが崩れた時には「人参・牛黄の霊黄参」でホメオスタシスの修復をはかります。
症状別の対処法としては
1. 梅雨冷えから来る「関節の痛み・神経痛」には「キョーレオピン+ロイマン湯」
2. 低気圧の接近による「血圧の乱高下」には「霊黄参+柴胡加竜骨牡蠣湯」
3. 蒸し暑くて眠れない・だるい・疲れが抜けないは「キョーレオピン+エナック錠+酸棗仁湯」
4. 湿度が高くて「立ちくらみ・めまい」には「レオピンファイブ+苓桂朮甘湯」
5. 光・臭い・音のストレスからくる「偏頭痛」には「霊黄参+葛根黄連黄?湯」
6. 自律神経の乱れから「心拍数の増加」には「レオピンファイブ+救心感応丸気+苓桂甘棗湯」
7. 梅雨明けの湿度と気温の上昇による「回転性の眩暈」には「霊黄参+五苓散」
8. 猛暑による熱中症には「霊黄参+五苓散」
環境の変化やストレスに負けないホメオスタシスを頑丈にする体質改善が大切です。