「夏の猛暑が秋になり、肺の疲れでドッと出る」

 異常な猛暑が長引くと、熱せられた空気が肺に入り、秋口になって空気が乾燥してくると、肺に熱を持つようになります。漢方では此れを、水(腎)→火(心)→金(肺)→木(肝)→土(脾)の相剋と云って、夏の火邪が秋の金を溶かす、肺をやっつけてしまうと云われております。
 このため、秋風が吹くころに、咽喉が乾燥して空咳が出たり、咽喉がむずむずしたり、肩コリがしたり、口内炎が出たり、身体が重だるくなったり、下痢などの症状が出たりします。
 このように湿度が下がって、肺に熱を持った、「肺の燥熱」の時は、秋の味覚「梨」がお勧めです。梨には「潤肺生津」と云って、肺を潤し体液を生じる働きがあります。
 また、もうひとつ秋の味覚の「いちじく」もカリウムと云うミネラルがたっぷりと含まれていて、身体に蓄積された熱を冷ましてくれたり、血圧を安定化したり、過剰に摂りすぎたナトリウムとバランスをとってくれます。
 今回は、梨とイチジクをそのまま食べるのではなく、更に身体に良い健康レシピを紹介します。それは、「梨のコンポート」と「イチジクのコンポート」です。

1. 梨のコンポート
梨3〜5個、縦に4等分に切り、芯を取り皮をむいて、さらに縦に切って8等分にする。ステンレス製の鍋に、切った梨を入れて、白ワイン500mlと砂糖30~50gを入れて、弱火で半量になるくらいまで煮詰める。仕上げに「ホワイトキュラソー50ml」を加えて火を止め、熱を冷ましてタッパーに入れて保存する。

2. イチジクのコンポート
いちじく1パック(5〜6個)ヘタを取り、包丁で薄く皮をむいて、縦に半割りに切る。ステンレス製の鍋に先程のイチジクを入れ、赤ワイン500mlと砂糖30〜50gを入れて、弱火で半量になるくらいまで煮詰める。仕上げに「オレンジキュラソー50ml」を加えて火を止め、タッパーに入れて保存する。
 コンポートはフレンチのデザートで「シロップ煮」の事です。お酒がダメな人は水と砂糖で煮てもかまいません。レモン汁を加えても、ヨーグルトに合せても、美味しいです。

 風邪を引いて、激しい咳と熱でツライ時、空咳や咽喉がイガイガ困った時は、スーパーで「梨の缶詰」を買ってきて、梨を食べながらシロップをゆっくり飲んで下さい、甘すぎる時にはお湯を加えると飲みやすくなります。これで咽喉もすっきりさっぱりします。
 これが、食べ物で病気を治す食養生の基本です。