平成二十四年(壬辰)は木運大過(もくうんたいか)と云って、五行で云うところの木(もく)の気が旺盛になる運気となります。年初の健康通信で述べた事を振り返って検証して見ると、木気=風なので、突然の竜巻や強風が吹き荒れたり、台風の襲来で強風による被害が増えます。事実、今年の五月連休に発生した「つくば市の竜巻」は民家を直撃し甚大な被害を与えました。また木気=風気は南に張出した太平洋高気圧と北にある冷たいオホーツク海低気圧、更に西から来る移動性低気圧の間を移動して、コロコロ天気が変動する不安定な天候をもたらしました。このため10月〜11月の天気を観ても秋晴れの青空が3日と持たず、天気が崩れ、曇りから雨そして晴と猫の目のように目まぐるしく変化して行きます。
 日中は晴れて暖かく朝晩は冷え込みが厳しい、天気が崩れて気圧が急激に下がった。この様に毎日繰り返す、寒暖の差、湿度の変化、気圧の急変で、身体のバランスを調節してくれる「自律神経」がコントロール不能になってしまいます。特に高齢者や、更年期を過ぎてホルモンバランスが低下した人には「自律神経失調症」が酷く堪えます。
 自律神経のバランスを崩した状態で、気圧の急変に遭うと、肩や首や耳などへ行く血管の血の流れが悪くなるので耳の中の平衡感覚神経が狂ってしまい、副交感神経(セロトニン神経)支配が強くなり乗り物酔いに似た症状「めまい」「吐き気」「悪心」「嘔吐」「下利」「便秘」などの胃腸不和の症状が出ます。
木気=風気がますます高ぶると、病人は、「急にイライラ怒り易くなったり」、「頭がグラグラしたり」、「目が眩んだり」、「腕が震えたり」、「血圧が乱高下」、「心拍数増加」などの病人が増えます。
 これらの症状も事実、今年は異常に増えております。
さて、運気は旧暦で運行しておりますので、平成25年2月3日までは「木運大過」ですが、12月からは「終運」という終りの運気になります。この時「太陽寒水」と云う気になり、雲の広がりと寒気の強さが合わさって雪が降ったり氷が張ったり、寒さが厳しくなります。また健康面では心臓や腎臓が弱い方(透析患者・IGA腎症・腎臓結石・高血圧・心疾患)や関節痛・耳の疾患などの方は、症状が悪化しやすいので充分な養生が必要です。

<還暦からは第二の人生>
私は昭和27年生まれの壬辰(みずのえたつ)です、今年めでたく還暦を迎える事が出来ました。
還暦とは自分が生まれた年と同じ干支が60年経って再び巡ってくる事で、人生を60年として再び生まれ変わって人生を生きて行く節目の年にお祝いをする事です。会社員も60歳定年で第二の人生の生活設計をしたり老後の余生を楽しく過ごす計画を立てたりします。実は漢方の考えでは、0歳から60歳までが「陽の時代」60歳以降が「陰の時代」と云われております。60歳まで無事に人生を過ごしてきた人達も、がむしゃらに頑張ってきた人も身体の中で「気・血・精」と一杯使い切ってしまいました。60歳までは、「気・血・精」は自力で作る事が出来ましたが、60歳の「陰の時代」に入ってからは「薬食同源」自然の漢方薬を上手に取り入れて補う必要が出てきました。
不眠・イライラ・ヒステリーなどの気の滞りには麝香製剤の「感応丸気」、どうき・息切れ、など心肺機能の衰えにはセンソ製剤の「律鼓心」、血の滞りや血に熱を持つ、「脳・心臓・肝臓」疲れが溜まる・疲れが身体に出る・疲れが外へ抜けるには、牛黄製剤の「霊黄参」、足腰が弱る、腎が冷える、など精(生きる力)が弱ってきた人には、鹿茸製剤の「霊鹿参」や「冬虫夏草」など様々な漢方薬で対応できます。
50才までは「無病息災」60才までは「一病息災」70才からは「多病息災」と云う考え方で、それでも病気が拡大しない様に漢方で手当てして行きます。今日一日を無事に過ごすことが出来た、明日もまた元気で健康に過すことが出来ますよう、ご祈念申し上げます。

<効率を追い求めて>
 世界的作家の村上春樹さんが2011年6月9日、スペインでスピーチした内容は、大震災で原発事故を起した東電を批判し、効率を求めてきた社会に疑問を投げかけた。広島に落とされた原子爆弾を引き合いに、「核」への絶対的信頼が揺らいだのは「効率」ではないかと持論を展開。「我々日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった。「『効率』や『便宜』という名前を持つ災厄の犬たちを、のさばらせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく『非現実的な夢想家』でなくてはならない」。さて先の25年間は、パソコンなどを代表とする「効率」の価値観にあてはまるものが、発展の一途を辿ってまいりました。薬業界では、スケールメリットを生かした大量仕入れによるドラッグストアの拡大や台頭がありました。今後は、個人の価値観が「効率」になるわけですが、個人がより安い物を求めインターネットで買い物をすることが促進されてしまうのかと頭を悩ませておりましたが、今後の流れが読めてきました。原発は確かに「効率」の時代には低コストで発電できる手段として拡大して来ましたが事故以来、実は莫大にコストがかかる発電手段ということが明らかになりました。それと同じように、テレビCMを見て「あっ自分に、この薬が合っている」と思い込み、ドラッグストアに行ってPOPで判断して割引された商品を購入。一見「効率」が良い買い物をしたとしても、実際効果が無ければ(その人の心身の悩みの解決ができていなければ)、いくら安くても無駄な買い物になってしまう。ということに気付き始めた生活者が出てきました。以前は、漢方薬が「高いな」と思っていた方も、治療効果が上がって良い結果出て満足して納得して頂ければ「効率」が良いはずです。 漢方はECOだ。(無駄なく効率的)だと思います。

 お薬を飲んでも、ちっとも効かないと不満を云う人がおります。体質改善薬や漢方薬は一つの症状だけ治すのではなく、身体全体の不具合をおだやかに修正して治していきます。このため、ゆっくり効き目が出始めてきている事を見逃してしまって、感じ取れない人もおります。不平不満や愚痴を口にする人は、気持ちが逃げて、目の前に見えるすべての事がイヤでキライになってしまっているかもしれません。このような時には、自分を好きになる簡単な方法を試して下さい。まず、ノートとペンを用意します。そしてノートに自分の良いところだけを書いて下さい。一つでも二つでもいいのです。この時に注意する事は、100点満点のところだけをほめるのではなく、50点でも、20点でもいいのです。少しでも自分のいいところを探して下さい。良いところを上手に探せない人は、次の10項目を参考に自分をほめて下さい。
1. 内面的な事をほめる、性格・気性・心の快感など。
2. 行動や働きをほめる。出来る事・やっていること。
3. 感覚、感性をほめる。日常的に感じる事、好きなこと。
4. 発想、考え方をほめる。価値観、生き方、前向きに思っていることなど。
5. 今している努力をほめる。結果が出ていなくても、現在進行形の努力。
6. 過去に努力したことをほめる。結果が出ていなくても、努力をしていたこと。
7. やらなかったことをほめる。ネガティブなこと、悪い事などしなかったこと。
8. 身体の働きをほめる。普通だと思っている健康や生きていることに感謝する。
9. 容姿をほめる。チャームポイントとして、どんなことも言い方を変えてみる。
10. 変化、発見をほめる。1〜9で自分をほめてきて変化したこと。新たな発見。
思いつかないことは、「思いつかない」としておき書ける時に書いて下さい。この、「自分をほめる」ということは、頭で思っただけでは効果がありません。必ず読み返せるノートに書いて下さい。そして、自信がなくなった時、不安な時、人に悪く言われた時、失敗した時、新しい事にチャレンジする時、いつでも自分をほめてノートに書いて下さい。どうしてもほめられない気持ちの時には、ノートを読み返して下さい。すべての人は、セルフエステーム(自己尊重感)という存在や命を価値ある尊いものだと自分で肯定し、他人にも肯定してもらいたいという意識を持っているのです。自分をほめると云う事でセルフエスタームを育て、自分を尊重する事につながるのです。 否定的考え方から肯定的な考え方にスイッチが切り替わることで、心が変わると行動が変わり、行動が変わると人生が変わります。