熱中症を予防する食養生

   

 熱中症は、梅雨の合間の突然暑い日や、梅雨明けの蒸し暑い時などに多く見られることから、これからの時期は特に注意が必要です。
 熱中症とは、熱中症環境保健マニュアル2009年によると、「高温環境下で、体内の水分やナトリウムなど塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称」のことで、死に至る可能性のある病気です。
 人は普段、暑くなると自律神経の力で、皮膚の血管に送る血液量を増加させ、大気との温度差を利用して、熱を外へ逃がします。また、汗が蒸発するときに人体から熱を奪う気化熱の働きを利用し、汗をかくことによって熱を体外に放出します。ところが、気温が体温近くに上昇していたり、体に水分や塩分が不足し、汗をかこうにもかけない等の理由から体温が急激に上昇すると、熱中症の症状がおきます。

 

手軽に作れる経口補水液(毎日1L〜2L飲む)

 水(ペットボトル)       500ml
 食塩(天然海水塩)       1g(小さじ1/5杯)
 砂糖(スティックシュガー)   3〜5本(砂糖10g〜15g)
 レモン汁(又はくろず)    10ml


ヨーグルトドリンク

 プレーンヨーグルト(無糖)   50g
 水                  120ml
 食塩(天然海水塩)       1g(小さじ1/5杯)
 レモン汁(くろず、又はリンゴ酢)  10ml


ソルティートマトジュース

 トマトジュース(市販品)   180ml
 食塩(天然海水塩)      1g(小さじ1/5杯)


ルイボスティー

 ルイボスティー        2〜3g 急須に熱湯を入れて湯呑に注ぐ。
 南アフリカ原産の薬草で、昼夜の寒暖の差が大きな土地に生育しナトリウム分を豊富に含んでいるので、ナトリウムを補給して熱中症を予防する。


菊花龍泉茶

 龍泉茶(ロンジン茶・中国茶)   1〜2g
 広州白菊(広州産白菊の乾燥品)  1〜2個 急須に熱湯を入れて湯呑に注ぐ。
 菊花龍泉茶(キッカロンジン茶)は中国の揚子江の南や広州に住む、富裕層の人たちが夏の暑さしのぎに飲むお茶です。ヒスイ色をした緑茶は珍重されております。


夏野菜を上手に食べる

 トマト、きゅうり、すいか、めろん、パイナップル、マンゴー、なつめ、などは、カリウムなどのミネラルを豊富に含んで、身体を冷やす作用があります。このため、暑い夏には積極的に食べるようにすると良いです。
 かぼちゃ、にんじん、赤・黄パプリカ、おくら、ししとう、などの緑黄野菜はカロテンなどのビタミン・ミネラルを豊富に含んでいるので、夏の疲れに良いです。


夏の簡単スタミナ料理  豚肉のパイナップル炒め 4人分

 材料
 豚肉(バラ肉又はモモ肉)  1s
 パイナップル缶詰       1缶  (一口大に切る)
 にんにく       2〜3片(みじん切り)
 赤・黄パプリカ    1個  (1センチサイの目切り)
 ししとう        2〜4個
 しめじ、又はマッシュルーム  1パック
 人参            1本  (1センチさいころ大に切る)
 玉ねぎ          1個  (1センチさいころ大に切る)
 赤ワイン(白ワイン)  少々
 しょうゆ          少々


 作り方
 豚バラ肉(モモ肉)を一口大に切り、砂糖を大さじ2〜3杯、肉の表面にまぶして、次に塩・コショウをまぶして下味をつける、次にフライパンにオリーブオイルをひいてみじん切りにした、にんにくを入れてから、下味をつけた豚肉を入れて、焦げ目がつくくらいに炒めてから、それぞれの野菜を入れて炒めて、パイナップルを入れて、缶詰の汁を加えて、赤ワインを入れ、煮詰めて汁を濃縮して、最後に醤油を加えて味のバランスを整える。
 豚肉は、漢方では、腎臓を丈夫にする働きがあり、ニンニクと一緒に調理することでビタミンBが沢山補給できます。パイナップルにはパパイン酵素など、肉を消化する酵素やビタミンCが含まれているので、豚肉の消化吸収を助けてくれ、胃もたれや食欲不振などが改善されます。カロテンなどの食物色素をたっぷりと含んだ、赤・黄パプリカや、ししとうが料理の栄養と色どりを添えてくれます。このレシピは、こってりとした豚肉料理も消化吸収が良く、栄養のバランスも調和され、美味しく食べられて、スタミナが付きます。


夏の食養生

 梅干、塩こぶ、ぬか漬けなど塩の利いた食べ物や、朝食に紅しゃけ、納豆、シラスなどや、かぼちゃ、なす、いんげん、などの夏野菜をたっぷり入れた味噌汁を食べたり。キュウリを縦に切って味噌をつけて食べたり、スイカに塩をかけて食べたりして、塩分(ミネラル)を上手に摂ることが、夏の食養生のポイントになります。