パセリとそら豆で

梅雨を元気に

   
 

 パセリはセリ科のハーブで料理の飾り付けで使われますが、ほとんどの人は食べずに残してしまいます。じつは、パセリは大変栄養のバランスが取れたハーブでして、鉄分は野菜の中でもトップの100g中9.3mgあります、又ビタミンCも100g中200mgありトップです。その他ビタミンAを7400μg、葉酸220μg、カルシウム290mg、カリウム1000mg、ビタミンB10.12r、ビタミンB20.24r、食物繊維6.8gと豊富なビタミン・ミネラルを含み栄養素の含有量は野菜の中でもトップクラスです。 パセリの食効は、豊富な鉄分が貧血を予防、独特の香りは、アピオールと呼ばれる精油成分が口臭を予防したり、口をサッパリさせて食欲を増進させたり、疲労回復・食中毒予防・ガン予防・シミを取る美白効果や血圧を下げる効果があります。
 パセリは葉が縮れているので、カーリーパセリと呼ばれ、葉が縮れていないイタリアンパセリと区別されますが、栄養価や味と香りは全く同じです。パセリを食べた時の食感が硬くてごわごわしているので、口の中で苦くて不味いと悪いイメージを持ってしまうので食べられないままになってしまいます。これは、イタリアンパセリと比べると、葉が縮れている分、細胞膜が硬くごわごわになっていて、これが食感の違いになっているのです。
 そこで、細胞膜を柔らかく膨らませて、パセリを美味しく変身できる調理法(下ごしらえ)を教えます。先ず、パセリは流通過程で水が切れてパサパサになっているので、買って直ぐに水洗いして、水中で茎を1cm水切りしてガラス瓶に入れておきます。調理する直前にフタ付きのフライパンを加熱して、水洗いして水がついたままのパセリを1〜2把入れて、フタをして30秒から1分加熱蒸し焼きにします。これでパセリは柔らかく美味しくなります。

 

         

山芋とパセリのすりながし 4人分

 材料
 山芋     1パック(200g)
 パセリ    1把
 そら豆    8〜12個
 出汁汁    ヒガシマルうどん汁の素 1袋、200mlのお湯で溶かす


 作り方
1. パセリは加熱処理をして柔らかくし、包丁で微塵切りしてすり鉢ですり下ろす。
2. 山芋の皮をむいて、卸し金ですり下ろす。
3. そら豆を皮ごと網焼きにしてから、まめを取り出す。
4. 出し汁(ヒガシマルうどん汁の素、1袋を200mlのお湯で溶かして冷蔵庫で冷やす)
5. 丼ぶり4個に、等分に山芋のすりながしを入れ、擂ったパセリを山芋の上面に円周に沿って流し込み、中央部にそら豆2〜3個を盛り付ける。
6. 丼ぶりの周囲から冷やした出し汁(ヒガシマルうどんつゆ)50mlを流し込んで出来上がり。


 アドバイス
 梅雨の季節は、湿度が高くジメジメして梅雨冷えの様に肌寒かったり、梅雨の晴れ間の日差しでムンムン蒸し暑かったりと、気候の変動に体調も乱れがちになります。特に湿邪と呼ばれる、湿っ気が体内に入り込んで、身体の「むくみ」、「身体の重だるさ」、「食欲不振」などの症状が固定化します。水毒と呼ばれる水分代謝の低下で、腎臓の機能も低下してきます。
 そら豆は形が腎臓に似ているので腎臓に良いと云われております。このような季節には腎臓の働きを元気にする、漢方薬や薬膳を上手に取り入れて過すと良いでしょう。山芋やそら豆などは腎臓の働きを元気にする薬膳の食材ですし、パセリは鉄分、ビタミンC、葉酸、など不足しがちな栄養成分が豊富に含まれております。さらに、胃腸がモタレ食事が進まない時や、病後の養生食として、すりながしは咽喉越しが良いので、ツルツル美味しく入って行きます。梅雨時や猛暑の季節に、食が進まない時の薬膳に最適です。