第1話 くすりは刑罰の鞭ではない。

   

昔、ある知人の奥さんが、子供に向かって「○○ちゃんイタズラしたら苦〜い薬を飲ませるわよ」と子供を叱っている現場に居合わせました。この方は女性教師で子供がイタズラしたり悪い事をしたら罰として苦い薬を無理矢理飲ませるぞと云う事でした。私が薬剤師の立場で「それは、おかしな事(論理)ですよ」と返しましたが、無意識のうちに何気なく言葉にしたらしく「はぁ〜」といぶかしがっていたが、私が「薬はけがや病気で苦しんでいる病人を助ける為にあるんですよ。そんなひどい事を言われたら薬がかわいそうです」「それに、論理的に間違ってます。」もし、子供が結核や白血病を患って、薬を飲む時になって、「私、悪い事してないわ、おりこうさんにしているのになぜ薬をのまなくっちゃダメなの良い子でいるのに?」って云われたらどうしますか?

このように、小さな子に誤った情報を与えてしまうと恐怖心や人間不信が潜在意識に刷り込まれてしまいます。

薬とは、けがや病気で苦しんでいる病人を助けてあげる正義の味方なんですよ。苦しんでいる病人が草(漢方薬)を飲むと、楽(快方)になるのがくすりなんですよ。

でも、薬は両刃の剣です。素人がうっかりさわるとケガをします危険です。ですから、必ず薬の専門家=薬剤師に正しい使い方、注意点を聞いて下さい。それは、薬に関する疑問や質問に正しく答える事が薬剤師の使命だからです。

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