第2話 予防と養生・再病阻止について

   

アトピーやガンなどの難病を一発で治す薬をくれというお客様がおります。でもそれは無茶な話です。長年苦しんで困っていた病気が薬を一服のんだだけですっかり治ってしまう。頭痛や発熱・風邪などは一服のんで治ってしまったという事は、よくある事ですが、難病に関しては一筋縄ではいきません。

それは、病気が身体に取り付いてしまって、ニッチモサッチモ行かない膠着状態になってしまったからでして、化学薬品などの強い薬を使えば使う程、副作用も強くなり身体が病気と副作用の両方の働きでボロボロになってしまうからです。

では、どうすればよいかと云いますと、まず、基礎体力=病気と戦う力=自然治癒力を強くする事です。

人間には本来持っている傷を治す力、異物を排泄する力、炎症を鎮める力、などがあります。家を建てる場合も、まず基礎(土台)を作り、柱を立て、屋根を乗せ、床を張り、壁を葺いて完成ですが、基礎が弱ければ、家ごと傾いてしまいます。

病気を治すという事もこれと同じ事でして、あせって結果ばかりを追い求める人が大変多いですが、いたずらに病歴を増してしまいます。

「急がば回れ」という諺があるように、あせっている時こそじっくりと原因を考えて基礎体力を増強する方策を取るべきです。腎臓病・肝臓病・心臓病などの臓腑の病の方、自律神経系・ホルモン系・免疫系の病の方なども、一時しのぎの対症療法や治療放葉の寛解療法よりも、まず大切な事が予防と養生・再病阻止の基礎体力を増強する療法なのです。

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