第4話 風邪に抗生物質は効くか?

   

風邪の原因はウィルスとされております。

ウィルスは1万倍の電子顕微鏡でやっと見える位の大きさ、バクテリアは100倍〜300倍位の顕微鏡で見えます。両者は大きさが全く違います。

抗生物質は元来、放線菌の出す毒素を抽出して作られた物質で、バクテリア・細菌をやっつける薬です。ウィルスに対しては全く効きません。

昔々私が学生時代に微生物学の教授が「ウィルスには抗生物質は全く効かん、風邪をひいた時は漢方薬を飲むのが一番」と云っておりましたが、微生物や抗生物質の専門家程、ウィルスには抗生物質が効かない事を知っております。それでも風邪をひいたと云えば抗生物質が安易に慢然と使われております。グラム陽性菌やグラム陰性菌などの確認もせずに風邪薬として解熱鎮痛剤などと併用されております。

この結果、風邪がなおらないばかりでなく、体中の菌が全滅してしまいます。腸の中では善玉菌・悪玉菌倶にやられてしまい、日和菌(ひよりみきん)と呼ばれる悪性のカビ菌などが増殖したりします。

抗生物質を使う時は必要最小限に使うべきでして、風邪をひいた時には、むしろ昔から云われているように漢方薬の葛根湯を飲んで汗をかいて熱を発散させて、多量の水を飲んで体内のウィルスを小便から排泄させた方が早く上手に風邪が治ります。

そして漢方薬の方が副作用の心配もなく安心して服薬できます。

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