第5話 痛風をなおす

   

痛風は、私が40歳を過ぎた頃からの付き合いでして、3〜4年に1度の頻度で患っておりました。痛風は、原因と治療法が明確に分かっている病気ですが、患者の自覚(私を含めて)が足りない為か、なかなか予防と養生をしないので何回も再発してしまいます。

身体(痛風)に良くない事(ビール・肉・魚)はツイやってしまいます。

身体(健康)に良い事(運動・ダイエット)は頭では分かってはいるのですが、ナカナカ続きません。

そこで自らの体験を基に痛風の治し方をお教えします。

※早く教えて欲しい方はこちら。

1、痛風の原因

ひとつは、身体が老化して新陳代謝機能が衰えて、尿酸の排泄機能が低下してくる事。

もうひとつは、連日の飲食で尿酸の原料になるアミノ酸(プリ体骨格のアミノ酸)の過剰摂取による事。特にビール・焼肉(レバーなど内臓に多い)・魚(カニ・エビ・イカ・タコ)などに特に多く含まれます。

2、通風の検査

尿酸、尿性窒素、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、赤沈、CRP、骨関節X線検査などがありますが、なんといっても決め手は尿酸値です。

尿酸値が6以下  正常

      6〜7  注意

      7以上  危険

私は初めて痛風に患った時は、尿酸値7.2で発作が出ました。

3、痛風の治療法

痛風には、尿酸プールと云う考え方があって、食事から摂取するアルコール・肉からのプリン体が尿酸に合成されて血液中に蓄積される事と、血液中に溜まっている尿酸を腎臓から尿中へ排泄させる事のバランスで成り立ってます。

つまり、尿酸の排泄機能が低下して、プリン体の摂取が過剰ならば、尿酸値を上昇して発病し、この逆をやれば尿酸値が下がり平癒します。

病院での治療としては、尿酸値が高い場合は、尿酸排泄剤のプロベネシド(商品名ベネシッド)と、アシドーシス酸性尿改善剤のクエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム配合剤の(商品名ピナロック)を使います。

血液中の尿酸が多くなると、血液や尿が酸性化・アシドーシスを起こしやすくなり、腎臓での腎臓結石を起こしやすくなります。ですから、尿酸値が高くてアシドーシス・酸性尿を起こしている人は、一刻も早くアルカリ剤(ピナロック)で中和する必要があります。

私も痛風の発作時に尿をリトマス紙で測ったところ、酸性を調べる青色リトマス紙が赤色に急変してびっくりしました。

次に、痛み・炎症の痛風発作を起こしていない人・緩性期の人は、ビール・肉などのプリン体の多い食品を食べてもプリン体から尿酸への生成をブロックする薬、尿酸合成阻害剤のアロプリノール(商品名アロシトール)を毎朝服薬します。尿酸合成剤阻害剤のアロシトールは、患者さんが一切のビール・酒・魚をやめて完全菜食主義者になれば、アロシトールも止めてもよいでしょうが、今と同じようなビール・酒・肉の食事を続けている限りは、服薬を続けなければなりません。

痛風発作時(急性期)の対処法

私の経験から、右足の(左に出る時もある)甲の所が熱っぽくなり、痛痒いようなジワーッとシビレたような感覚になり、足がみるみる腫れてきて痛みが段々増強してきます。この間約5分〜15分位で、痛みがガマン出来ない位ひどくなってきます。激しい炎症と痛みの為、足の甲がパンパンに腫れて、足の甲の痛みだけでなく、頭痛までしてきます。まるで尿酸の針状の結晶がガラス片のように血管につきささるかのような痛みです。こうなると靴を履くにも大変ですし、運転も出来ません。反対側の元気な方の足でケンケンで移動するしかありません。

こういう激しい発作が、長い時では1ヶ月から3ヶ月位続いては消えていたのですが、最近最短の治療法が分かったのです。

漢方薬局の一薬剤師が私的に編み出した対処法ですので、他の方は参考程度に考えてください。

急性期(発作時)炎症・発作・腫れ・激痛が起きている時

○霊芝エキス(紅芝泉粒) 3粒(60mg)

○ボルタレンSRカプセル(37.5mg) 1cap

ピナロック1g×1包を水200mlに溶かす。この水溶液で霊芝エキスとボルタレンSRカプセルを服用する。

すると、驚くべき事に、服後5分〜10分後位からスーッと痛みが引いてくるではないか!30分位の間に「エェー ウソォー」と云う位に痛みが消えて、ケンケンでしか歩けなかったのが二足歩行が出来るではありませんか!

私は長年薬屋をやっておりまして、一般の薬は養生系も含めて、世間の皆様の10倍以上の金額と量を飲んでおります。でも私の身体の感受性が低いのか、今までこれは効いたな!という薬はあまり見当たりませんでした。

でもこれは違います。劇的に、ドラマティックに、面白いように、まるで血管壁にガラス片がツキ刺さったかのような尿酸の針状結晶が朝日が当たって淡雪がかき消えるが如きにスゥーと心地好く消失しました。

これは、ボルタレンSRの消炎・鎮痛作用と霊芝エキスの免疫増強作用・消炎作用・血栓溶解作用が働いて相乗効果が現れたものと考えられます。

霊芝とボルタレンの効き目は6時間位持続しますから、痛みがぶり返してきた時にまた上記の組み合わせで服用します。通常1日に2回でも充分効果がありますが、相当症状が激しい場合には上記の処方を1日3回まで、ボルタレンの1日の最大量が100mgですので1日3capまで、霊芝エキスは1日の最大量は決められておりませんが3倍量使用として1日18粒(360mg)位を、アシドーシス改善剤のピナロックは1日3g(1g×3包)までで使用すると宜しいでしょう。

次に尿酸排泄剤のプロベネシド(商品名ベネシッド)は、急性期(発作時)腫れと痛みが激しいときには使用しないほうが良いです。尿酸排泄剤を服用すると急激に尿酸が移動する為に腎臓に無理な負担をかけたり、一時的に炎症・疼痛・腫れを増悪させてしまうからです。ですから急性期(発作時)は

○霊芝エキス粒 3粒

○ボルタレンSR 1cap

ピナロック 1包・1gを水200mlに溶かす

上記を1日2回服用する。服用2〜3日後に炎症・痛みが消失すれば、次に

○プロベネシド 250mg 1錠

ピナロック 1g 1包 水200mlに溶解する

上記を1日2回服用する

プロベネシドは最初、1日1錠(250mg)から次第に1日2〜4錠(500mg〜1000mg)まで増量しても良い。30日位服薬して、これで尿酸値が7.0以下に下がれば服薬を中止して、尿酸合成阻害剤のアロプリノール(商品名アロシトール)100mg1錠を1日1回服薬して尿酸値をコントロールすればよい。

痛風は尿酸値のコントロールだけに注意すればよいので、病気とすれば非常に単純明快・シンプルであります。

日常の生活注意点は、

1、血液(体質)をアシドーシス(酸性)からアルカロージス(アルカリ性)に保つ。コーヒーをやめて大麦若葉ジースにする。電解カルシウムを服用する。野菜(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、セロリ、アスパラガス、コマツナ)などの緑色の葉野菜をたくさん食べる。

2、プリン体の多い食品を食べない努力をする。ビール(ホップの入ったビール)・フォアグラ・ホルモン焼・レバー刺・アンコウの肝などの動物の内臓、肝臓の料理は食べない。(美食家が多いですから、なかなか難しいですけれど)

3、新陳代謝を高めて排泄する。

20歳をピークに体の成長が止まり、どんどん老化してきます。新陳代謝機能も低下してきて、異物の排泄機能が低下して異物(尿酸・コレステロール・中性脂肪)が血液中にたまってきます。

「くろず」 くろずには天然醸造されたクエン酸・リンゴ酸・コハク酸などの有機酸が豊富に含まれており、細胞の中のTCAサイクル(クエン酸回路)を活性化してエネルギー養生をします。また、アルカリ性飲料ですので、血液をアルカリ性にして血液の酸性化を防ぎます。

「ルミンA」 ルミンAは感光色素を応用した医薬品で、細胞を賦活化(活性化)して異物の排除(排泄)作用を行います。また、免疫活性を高めて炎症を鎮める働きがありますので、発作時・炎症・腫れがあるときにも使用します。

「キョーレオピン・レオピンファイブ」 熟成ニンニクエキス配合の医薬品で、新陳代謝機能を活性化して体の奥へ内蔵の機能低下などを防いでくれる、予防と養生薬です。

以上、長々と書き連ねましたが、最後に病気(痛風)と付き合う方法は、

1、今以上悪くさせないこと。  悪化させない

2、ダラダラしてないで早く治すこと。  早期解決

3、身体へのダメージ、副作用、リスク等をよく考えて治療方法を選択する。  安全策を選ぶ

4、検査値などを教え、病状を正確に説明して、指導・相談してくれる医療機関(病院・薬局)に身を委ねる。  医者を選ぶ

5、己の病気(痛風)について正確な知識を身につけて、自己管理(セルフコントロール)が出来るようにする。  予防と養生の知識を修得する

一般に生活習慣病(痛風・高脂血症・糖尿)は過去においての生活習慣の悪さに原因があって、その結果現在の病気が出てしまった訳ですから、やっぱり「自己責任」で病気(痛風)と向き合っていくほか方法はありませんね。ソッポを向いたり無視したりしていては、全く何も解決しないばかりでなく余病も併発して、もう元の身体に戻れないような悲惨な結末になってしまうかもしれません。

ですから、きっちりと現実を見据えて、病気と向き合って、病気を恐れずに、病気を甘く見ず、最も安全な、最も適した治療法を選んで、病気が一日も早く平癒して、快適な毎日が過ごせますように、皆様の健康を御祈念申し上げます。

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