第9話 タバコを吸わない主婦が肺ガンになった

 

70歳の主婦の方が検査で肺ガンが見つかりました。この方は、タバコは一本も吸わない方でしたが、実は7年前にご主人を肺ガンで亡くされておりました。
 このご主人が、学校の校長先生でして、長年タバコを吸っておられてかなりのヘビースモーカーだったそうです。ご主人と長年連れ添って暮らしていて、タバコの伏流煙による受動喫煙が原因だったのでしょうが、

         

ご主人が肺ガンで亡くなってから、7年たって奥さんも肺ガンに罹ってしまった事は、なんという因果なことでしょうか。
 タバコによる健康被害がここまで酷いとは、予測できなかったのでしょうが、情報を知らない事が、知っていても対策を怠ったことが、ここまで酷い状況に至ってしまった云う事を皆さんも、覚えておいてください。

                 

第10話 完全にタバコが止められる方法

 70代の男性で、運送会社の社長をされているかたですが、10代の後半からタバコを吸い始めてもう50年以上になるけどタバコは止められないと言っておりました。
 冠状血管の狭窄と肺に動脈瘤ができており、医者からは禁煙するように強く勧められておりましたが、「俺は、タバコを吸って肺ガンになっても、心臓が止まってもかまわないからほっといてくれ」と常々口癖のように云っておりました。
 あるとき、体がだるくなり空咳が続くようになり、病院で検査したところ、肺の動脈瘤がある付近に5p位の悪性腫瘍ができていたので、同時に二つの手術はできないし、動脈を切ってしまうと即アウトになってしまうので、まず肺ガンの摘出手術をすることになりました。この手術は背中からメスで切開してから、のこぎりで肋骨を三本ほど切り開いて患部を切除します。十数時間の大手術が終了して、肋骨がくっつくまで一ヶ月余り入院しておりましたが、退院してからは、1本もタバコを吸っておりません。
 そしてこんなことを言っておりました、「こんなことになるなら、もっと早くせめて2~30年前にタバコを止めていればよかった」としみじみ語っておりました。
 タバコを吸っている人に、「タバコを止めてください」と言うと、いやな顔されます。煙たがられます。嫌悪感を持たれます。敵対してしまいます。悪者になってしまいます。
 「タバコを吸っていると、やがて肺ガンになりますよ」と健康面に配慮して、禁煙を勧めても「よけいなお世話だ、おせっかいは止めて俺の好きなように吸わせてくれ」「タバコを吸って肺ガンになって死んでも本望だ。仏壇に線香の替わりにタバコを供えてくれ」なんて事まで平気で言い返されます。
 でもですね、それだけ頑固にタバコを吸い続けた人でも、大手術を受けた後では、ピタリと止めてしまいます。皆後悔の念に駆られて「もっと早くタバコを止めていればよかった」と言います。それでも吸い続ける人は一人もおりません。
ですから、タバコは止めてください。
今なら、止められます。
今なら、間に合います。
今から、優しい人になれます。

                 

第11話 荒川式禁煙法

実は私、ヘビースモーカーでした。大学一年生の頃、悪友にそそのかされて、初めて吸ったタバコがチェリーという煙草で、エンジと白のパッケージに金色で桜のイラストが描かれていた箱です。比較的軽めの味でした。次にハイライト・セブンスター・ショートホープ・ショートピース・と進み、パイプに刻み煙草を詰めて吸っていたりもしました。その後はショートホープに落ち着き、毎日20本は吸っていました。
 結婚して長女が生まれたとき、妻から子供のためにタバコを止めてくださいと言われました。32才の時でした。
 それまで14年間、何回も禁煙を試みたのですが三月と持たずに挫折の繰り返しでした。そこで今度こそと真剣に取り組みました。
 先ず予備段階として、1ヶ月かけて煙草の本数を減らすようにしました。
タバコを吸う時を
A.充足の一服(満足の喫煙) 食後の一服・仕事が片付いた一服・お茶の時の一服
B.惰性の一服(無意識の喫煙)起床後の一服・待ち時間の一服・ボートしている時の一服
C.ストレスの一服(不安の喫煙)商談中の一服・運転中の一服・空腹時の一服
と分類します。
 そして、まったく吸えない時間(就寝中・入浴中・スポーツ中)
吸ってはいけない場所(図書室・会議室・禁煙車両・映画館)を明確化します。
 次に、充足の一服はそのままにして、ストレスの一服を減らすようにして、1週間で5本ずつへらしていきます。
 第一週は、運転中の一服と商談中の一服を減らして、一日15本までとします。
 第二週は、起床後の一服や待ち時間の一服とストレスの一服を減らして一日10本までとします。
 第三週は、充足の一服中心に、毎食後の一服と10時3時お茶の時間の一服と仕事が片付いてほっとした時の一服で5本+αで、一日5〜7本くらいにします。
 第四週は、食後の一服+αで一日3〜5本くらいで過ごします。
 第五週目でいよいよ禁煙がスタートします。
休日か連休を利用したほうがよろしいです。休日前の夕食後に最後の一服を吸ったなら、タバコを灰皿で消して、残ったタバコを全部ゴミ箱に捨ててください。
 そうしたなら、コップ一杯の水を飲み、風呂に入って身体を温めてすぐに就眠します。
寝る前に、ビールや酒は普通に飲んでもかまいません。翌日は休日なので、昼頃まで寝ています。12時間以上寝ていてもかまいません。眠っている時はタバコは吸えません、ですから、なるべく長く眠っています。

寝るのに飽きたならば、ゆっくりと起き上がって、ミネラルウォーターをガブガブ飲みます。一日で2リットル以上飲みます。お茶やジュース、ポカリスウェットなどのスポーツ飲料では、ダメです。必ず2リットルのペットボトル入りのミネラルウォーターを飲んでください。
 ここで、体内に溜まっていたニコチン・タール・ベンツピレンなどの毒素を、汗や・小便・大便から、排泄するのです。ニコチン・デトックス法です。

ミネラルウォーターの補給量が少ないと、ニコチン・タール・ベンツピレン毒素の排泄が少なく、効果が弱まります。できれば、ミネラルウォーター2リットル2本以上飲めれば、更に良いでしょう。ちょうど、山でマムシを捕獲して水を入れた一升瓶に3日ほど泳がせて、腹の中の汚い糞を全部出させるようなものです。
 散歩や軽い運動などはОKです。お風呂などもОKです。

 体内のニコチンが切れるので、脳内麻薬(ニコチン)を欲求する指令で、めまい・不安・どうき・顔のほてり、などが出てきたり、かきむしったり・ひっかいたり・イライラしたり・爆発したり、タバコをくわえたい・火をつけたい・吸いたいという衝動が起きたり、さまざまな禁断症状が現れてきます。

 

 このような時は、映画館へ行って、大好きな映画を観たり(映画館の中は禁煙ですし)散歩をしたりして、タバコを吸えない環境でタバコを吸えない状況にすればよろしいです。
イライラして咽喉がカラカラに渇いたときはスライス

したレモン・ライムを口に含むか、ミネラルウォーターにレモン・またはライムを入れて水をガブガブ飲んでください。
 そして、吸いたくなって苦しい時は、今夜までだ、明日になれば楽になるんだと、自分に言い聞かせて早く寝てください。ストレスから体温が低下しますから

、ぬるめのお風呂にゆっくりと入って身体を温かくして早めに眠りに就いてください。それでも眠れない人は、もう一度お風呂に入って腰から下をゆっくりと温めてから、温めた牛乳200mlほど飲んでから就寝してください。

 禁煙二日目も同様にします。三日目からは、ニコチン・タール・ベンツピレンなどの毒素の90%以上が体外に排泄されておりますので、身体がスッキリ軽く感じられます。
 4日目からは、タバコの精神的依存症が出てきます。(周囲が吸っているので吸ってみたくなる)これから先は、今まで一緒になって吸っていた喫煙仲間がねたみやっかみ半分でちょっかいを出してきます。日本人は抜け駆けされたり、一人だけみんなと違う人がいるのが嫌いなのです。でも、毅然とした態度で禁煙を続けてください。正義はあなたにあります。そして一年過ぎると、吸いたいという気持ちも消えうせて、今度はタバコの煙が嫌いになってきます。列車も禁煙席が普通になり、元からタバコを吸わない人と同じになります。おめでとうございます。これで、タバコとも卒業です。地球環境と社会に優しい人が一人増えました。

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